ようこそコガタナラボへ。
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もう小刀の使い方には慣れましたか?
今回お伝えすることは初心者向けではありません。
「真」の使い方は小刀初心者では大怪我をする危険性があります。
だからこそ、小学校ではここまで教えてはいけません。
小刀の基本的な使い方を身につけた人だけに伝えたいのです。
まだ小刀を使ったことがない人はまずはこっちの記事からどうぞ。
今、ここに残っているのは小刀中級者以上ですね?
ほんまに?(しつこいw)
それでは上級者向けの使い方をお伝えしましょう笑
今回の記事では、何故、初心者には伝えられないのか、真の使い方とはどんな使い方なのかということを具体的に解説していきます。
それではいってみましょう。
「真」の使い方を小学校で教えてはいけない理由
これまで伝えてきた初心者向けの使い方は、ゆうなれば掌で豆腐を切るような使い方です。
その際、包丁は引いてはいけないと教えてもらったのではないでしょうか。
包丁を引いて使うと血だらけになるからね(^_^;)
そうなんです。
包丁を初めとした刃物は引いたら切れます。
それは小刀も同様です。
小刀も引いたときにきれるのです。
初心者向けの使い方が「押し切り」とするならば、「真」の使い方とは引いて切る。
つまり「刃渡りを有効に使う」ということです。
これを「引いて切る」としてしまうと、利き手の動かし方に意識が向いてしまいます。
そうすると、刃が木の表面を滑って大きな怪我につながります。
なので、「引いて切る」よりも「刃渡りを有効に使う」と表現しているのです。
順序としては、まず「押し切り」で小刀を両手で使うという動作の感覚をつかみます。
その感覚が身についた後に、「刃渡り」を意識した切り方に移行します。
この切り方を身につけるには段階を踏む必要があるということです。
なので、児童が初めて小刀を使う場合には、この切り方を教えてはいけません。
引くことに意識が向いて大怪我をしてしまう危険性が高いからです。
小学校ではまず、「押し切り」で小刀で木を削る感覚に親しむことを優先させることが大切です。
「真」の使い方を具体的に解説
実際に刃渡りを使った切り方はこうです。
「押し切り」との違いはわかりますか?
「押し切り」はこうです。↓↓
「押し切り」では親指の動かす方向はまっすぐ前です。
しかし、「刃渡り」を使うときには、親指を斜め向こうに動かしています。
こんな感じ。
こうすると、切り始めと切り終わりで刃の位置が変わっていることがわかります。
なので、まずは「非利き手」の親指を斜め向こうに動かすことを意識してください。
切り始めの刃の位置は根元に近いところから始めましょう。
そして、切り終わるときには刃先に近づきます。
最初は刃の移動が数mmでもかまいません。
切り始めと切り終わりで使っている刃の位置が変わっていればO.K.です。
ここでも「非利き手」の動かし方に意識を向けます。
利き手は飽くまでも添えるだけです。
「真」の使い方に慣れてくると
そして慣れてくると非利き手が木を抱え込むようなこんな動きができるようになります。
左手が木を握り込んでいるのがわかりますか?
こうすることで、小刀の位置をあまり変えることなく削ることができます。
「非利き手」のこの動きについては、僕自身、最近気付きました。
学生に説明しているときに「あれっ」左手を動かしてるってw
なので、まだどうやったらできるようになるかは言語化できていません(^_^;)
非利き手のこの動きについて言語化できるようになったら改めて記事にしますね。
ともあれ、非利き手の親指で小刀の刃をななめ向こうに押す。
まずはここから。
こうすることで刃渡りを有効に使えるようになります。
真の使い方にある3つのメリット
何故、この切り方を力説するのか。
それは以下のような3つのメリットがあるからです。
必要最小限の力で圧倒的な切りやすさ
刃の切れ味が長持ち
樹種を選ばずに削ることができる
それでは順番に解説していきましょう。
必要最小限の力で圧倒的な切りやすさ
刃渡りを有効に使うと圧倒的に切れやすくなります。
小刀が本来持っている切れ味をいかんなく発揮するのはこの切り方だけ。
切りやすくなることは、必要最小限の力で切ることができるということです。
無駄に力を使う必要がないので、作業が楽になります。
小刀の切れ味が長持ちする
同時にこの切り方をすることによって小刀への負担も軽減されます。
つまり、小刀の切れ味が長続きするということです。
初めて小刀を使う学生が使った後の刃をよくみると細かな欠けがみつかることが多々あります。
それは「押し切り」で強引に木を削っているからです。
小刀などの刃は使えば使うほど切れ味が落ちていきます。
この切り方をすると、刃への負担が減るので切れ味が長持ちするというメリットがあります。
ゾロも確認しているでしょw
道具に負担をかけない使い方をすることも上級者には必要なスキル。
まぁ、ここまで思い詰める必要はないけどねw
取り扱う樹種の幅が広がる
小刀のポテンシャルを引き出すことで硬い木も切ることができるようになります。
ケヤキなどの硬木を切る際に押し切りをしてしまうとあっという間に刃が欠けてしまいます。
これはどれだけいい小刀を使っても同様です。
以前、僕は黒檀を小刀で削ったことがありますが、これがめちゃめちゃ硬くて押し切りでは刃が通りませんでした。
刃渡りを有効に使うことをより丁寧にすることでなんとか削ることができたものの、それでもいつも以上に力を使うので、手が痛くなったりしました。
黒檀は手強かった。
黒檀のような硬木といかないまでも、ヒノキやアカマツでも硬さを感じやすい小口を美しく削ることができるようになります。
硬木や硬い部分を削れるようになるといくことは、小刀で加工できる樹種が大幅に広がるということです。
もちろん、小刀での削りやすさは木目やねばりなどイロイロな要素があるため、硬さだけで判断することはできませんが(^_^;)
まとめ
いかがでしたか?
初心者閲覧禁止の意図は伝わりましたか?
刃渡りを有効に使う。
これが「真」の使い方です。
僕は「小刀を扱う技術」とは、①小刀のポテンシャルを引き出す(小刀に無理をさせない)使い方をすること、②刃を研いで切れ味を保ち続ける力を身につけることだと考えています。
もちろん、これは個人的な意見です。
小学校の指導でここまで求める必要はありません。
小学校では飽くまでも小刀で木を削る楽しさを味わうことが中心です。
道具や材料に親しむこと。
これを小学校では一番大切にしてほしい。
だから、最初から「真」の使い方を小学校で教えてはいけません。
ただ、指導者になるのであれば、この切り方を知っていて欲しいとも思います。
この切り方を覚えるとより木を削ることがより楽しくなるからね(^_^)
今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。
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